ミュージカルSPY×FAMILYを観てきたよ

ミュージカル「SPY×FAMILY」を観てきたよ!

一時期はTikTokの全女子に『アーニャ、ぴーなっつがすき!』言わせていたことおなじみの「SPY×FAMILY」。
私も、原作やアニメを嗜み、『あざざます』『がんばるます』を多用させてもらっていましたが、人気が高じて“舞台になるよ!”というお知らせを目にした時には、『いや、さすがにやりすぎだろ……』と思いました。
なぜなら、

アーニャ役をできるような子を探すのがあまりにも無理ゲーだから。
だって、4歳児に見えるような背丈の子で、舞台に立ってお芝居をできる子なんて存在する???
しないよね?????

そんなわけで、もやもやと気になっていた舞台(ミュージカル)を、縁あって観に行くことができたので、自分の覚え書きも含めて書いておこうかな、と!
ちなみにS席で、座席の場所は舞台から20m弱程度でほぼ真ん中でした。

ついに鈴木拡樹さんを見られた!

私が入った回は3月18日(土曜日)のマチネ回で13時開演。
15分程度の休憩を挟んで16時頃に終演でした。
キャストは

  • ロイド(ちち):鈴木拡樹
  • ヨル(はは):佐々木美玲
  • アーニャ:福地美晴
  • ユーリ:瀧澤翼
  • (他の主要キャストは一人一役なので割愛)

数年前から『一度、ナマで拝ませていただきたい……』と思っていた鈴木拡樹さんを見る機会に、ついに恵まれました!!!
ちなみにこのチケットは私自身で取ったわけではなく、Twitterで仲良くしてくれている相互フォローさんが取ったもの。
ヨルさん役の佐々木美玲ちゃんを見たくて、日向坂ファンクラブに入会して、そのファンクラブ枠で取ったとのことでした。

ちなみにアーニャ役の福地美晴ちゃんに関しては、アーニャを務める4人のお披露目動画を見た際にいちばん気になっていた子だったりしました。

https://twitter.com/micatica/status/1621511312059797508

脚本は原作履修者向け

この舞台がストーリーのどのあたりまでをカバーしているかはネタバレにもなるのかな〜、と思うのでぼやかしますが、エレガント先生(ヘンダーソン先生)が主要キャストに居る、でもダミアンやベッキーちゃんは居ない……というあたりから察していただければな、と!
驚いたのは、大筋をなぞるだけでもまぁまぁなボリュームになる内容なはずなのに、しっかり原作(アニメ)での小さいエピソードも交えて再現していたこと。

ユーリの突然のおうち訪問エピソードはもちろん、原作では登場は少し先になるフィオナちゃん(夜帷ちゃん)の『すぅきぃーーー』もあるし、なんならシルヴィアさん(ロイドに指令を出す『こんにちは、あるいはこんばんは』のひと)のうっかりさんエピソードまで入ってます。

私は原作も含めて履修してるからついていけたけど、「SPY×FAMILY」ミリしらなキャストのファンにとっては『???』な部分も多いのかな〜、と思ったりはしました。
ヨルが『弟を安心させるために』っていう動機でロイドを誘うあたりなんかは、ちょっと難しいかもしれない。

みんなめちゃくちゃ歌うし踊る

観始めるまで把握していなかったのだけど、この舞台はミュージカルです。
私、たぶんこれが初めて観るミュージカルで、だからミュージカルっていうものがこんなに歌って踊るものだとは知らなかったわけです。
『こんなに……こんなに歌うのか……みんな声帯だいじょうぶなんか……』という心配をずっとしていました。

なお、舞台の手前にオーケストラ用の空間があり、演奏はすべて生オケでした。凄すぎ。
下世話な人間なので『セットもお金がかかってそうだったし、生オケだし、黒字になるのかこれ???』という詮索もしてしまいましたが、物販はかなり売れている感じだったし、スポンサーもしっかりついているようなので、そこはまぁ、だいじょうぶなのかな。

しかしやっぱり生オケって贅沢だな〜。
帝国劇場すごいな〜。
そしてその生オケにビビらずに、しっかり生歌をのせてキレキレに踊ってみせる出演者陣が本当にすごい。

伝説の女優が誕生する場に立ち会えたのかもしれない

ミーハーな人間だから、鑑賞前は『鈴木拡樹さんが見られる!うれしみ!』『佐々木美玲ちゃんが見られる!やば〜い!』くらいの気持ちしかなかったことは、正直に言っておきます。

でも、観終えた時にいちばん心を奪っていったのはアーニャ役の福地美晴ちゃんでした。
私の鑑賞回の1週間ほど前に初舞台で初日を迎えたばかりの、数ヶ月前まではふつうの小学生をしていた女の子・福地美晴ちゃん……。
とんでもない才能の塊の子だと思ったよ……。

年齢は7歳(3月末に8歳にレベルアップ)で、これまでの舞台経験はおろか、子役としての経歴は無し。
ただ、パンフレットに特技がジャズダンスという記載があったので、ミュージカルに対しての素養はあったのかもしれないんだけど……でも……すごかったです……。
この舞台をご一緒できた相互フォローさんとは育児クラスタ繋がりで同じ年の子どもが居るんですけど、そんな彼女と幕間で『すごくない!?』『すごい』『アーニャだったよね!?』『めちゃくちゃセリフあったよね!?』『そもそも舞台にずっと出てられる体力もすごい』『ダンスもキレがあった』と驚き混じりの会話しかできませんでした。
まじでアーニャだった。

たとえば、ロイドとヨルさんが出会うシーンでの『アーニャ、ははいなくてさみしい〜。ははのそんざい、こいしい〜』と言うところなんかも、良い意味でこなれていなくて、子ども特有の大胆さみたいなものがあって、本当にとても良かった。
セリフの聞き取りやすさ、セリフからナチュラルに移行する歌唱(というより『お歌』という雰囲気で、これも良かった)も満点でした。

この美晴アーニャを支える大人たちも素晴らしくて、お目当てだった鈴木拡樹(ちち:ロイド役)はすべてが完璧でした。
完璧すぎて何のストレスもないのが逆にストレスだったという話も。(???)
歌も歌えるし、アクションもキレてるし、もちろんお芝居は上手くて、難しい単語があるセリフでも噛まない。
それに加えて、笑いをとるセリフでは大袈裟な言い方と間合いでしっかりと押さえていく。

すごすぎる。
踏んできた場数が全てに活きてきすぎている。
今後、鈴木拡樹さんの演技をまたナマで見られる機会があるのかは分かりませんが、とにかく神様、一度でもナマで見る機会を与えてくれてありがとうございます、という気持ちです。

対して、はは:ヨル役の佐々木美玲ちゃん。
このキャスティングは謎だったんですが(坂道に他にミュージカル向きの人材は居そうだし……)、ヨルさんを演じている美玲ちゃんを見たら、妙な納得感がありました。
『なるほど、美玲ちゃんのふわふわぽわぽわした感じはヨルさんっぽさがあるぞ……』という。
あと、ヨルさんの普段着の赤ワンピがめちゃくちゃ似合っていました。

ただ、個人的に美玲ちゃんを超えるインパクトを受けたのがフィオナ役の山口乃々華さん。
元々E-girlsだった女子らしいんですけど、この界隈は詳しくないためにパンフレットでお名前を見てもいまいちピンと来ず。
だからそんなに期待せずに見ていたんですけど……驚きの歌の上手さで……!
出演シーンが2つ(だったと思う)しかないので、もう少し見たかったですね〜。
ただ、フィオナ役はWキャストというわけではなく山口乃々華さん一人が演じる形なので、休日に2回まわしをすることを考えると、この出演時間の短さはしかたないのかも。

観劇後の正直な気持ち

観終えた時の気持ちをシンプルに一言で表すと、『良くも悪くもおなかいっぱい!』でした。
脚本での盛り加減が私にはちょっと重かったな〜、という。
あとは単純に、私がミュージカルを観るという場数を踏んでいなくて、『こんなに歌うのか!』とびっくりしてしまったのも盛り盛り感を覚えてしまった一因なのかも。
それが3時間も続いたわけですしね。

でも、もちろん良い意味でも『おなかいっぱい』になれたわけで、もう一度観られるチャンスがあればやっぱり観に行くと思うんですよね。
それくらい、役者さんはもちろん、オーケストラの方々、セットや照明を適切にセッティングできる裏方の皆さんが作り上げてくれたSPY×FAMILYの世界は凄かったので!

あとはもう、福地美晴ちゃんというすごい役者さんに出会わせてくれてありがとうの気持ちですよ。
遠くない未来に、さまざまなフィールドで活躍する彼女の姿を想像したりしつつ、このエントリを〆ようと思います。

あー、楽しかった!!!