先週の日曜に、時間がちょっとできて、他の予定の前に滑り込ませられそうだったので、行ってきました。
京橋の 加島美術さん で開催中の 「ロム・ヴィラセラン」 の個展。
会期は明日までで、だから早くエントリにしたかったんですけど、でも私にはロム・ヴィラセランの絵画から受けた衝撃をうまく表現する術がなくて、結局こんなギリギリに書いているという…。
いやまぁ、ギリギリに書いたところで、やっぱり凄さをうまく伝えられる気はしないんですけどね…。
まずはこのツイートをどーん。
フィリピンの画家、ロム・ヴィラセランの日本初個展を来週11月14日(土)より開催します。私たちの記憶や想像力を揺さぶる、圧倒的な作品たち。その唯一無二の世界をぜひ会場でご堪能ください!https://t.co/8VB6FLbeie pic.twitter.com/VCBZzLgnNh
— 加島美術 / Kashima Arts (@Kashima_Arts) November 6, 2015
リアルだけどファンタジック、そして印象に残る色使いの絵画だと思いません?
驚くのは、この絵画の半分が偶然の産物であるということなんですよ。
どういうことかというとですね。
次はこの動画をどーん。
[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=gQiWPeHdO5w[/youtube]
これは今回の個展のために作られた動画っぽいです。
『すごく良く出来てるな、プロモーションのための動画にとどめるにはもったいない出来だな』と思ってたら、個展でも流されていました。
『キャンバスに種を撒いて想像力を働かせ、種子になり、胞子になり幻想の中を漂う』
タイトルは、頂いたパンフの挨拶文から。
この文章、本当に素敵で、しかも的確に説明していると思います!
さて、先の動画から、作品の成り立ちの部分を抜き出すと、
下地になる部分が偶然の産物なわけです。
そこから現れてきたものを実際に描き込んでいく、と。
私、緻密に練り上げられた作品って大好きなんですけど、その一方で、こういう即興の要素が入るような作品にも惹かれまして。
だから、この動画を見た時に『この個展行きたい!他にどんな作品があるのか観てみたい!』と思ったのです。
ファンタジーとリアリティ、そしてノスタルジー?
でも、実際に彼の絵画を前にしたら、『偶然』の要素は吹っ飛んでしまったというか。
描き込まれたディテールだとか、独特の鮮やかな色彩感覚にノックアウトされましたね。
プロモーションに使われている「Ochre Field」の岩だとか、「Luna in the Bath」という作品の月の表面っぽい部分の質感だとかは凄かった。
キャンバスの上の偶然から、ファンタジーの世界を見ることができて、それを他のひとたちにも伝えることができるだけの表現力、画力がある。
絵描きになってくれてありがとうございます、としか言えないです。本当に。『こういう世界を見せてくれてありがとうございます』って。
しかも描き出してくれている世界に、どこか懐かしさがあるのです。
加島美術さんは京橋駅前の東京スクエアガーデンの裏手側にある画商さん?でした。
ロム・ヴィラセランの個展は1階と2階で展開されています。
1階には大きめの作品が数点、2階は階段をあがってすぐの床の間で↑に載せた動画を流していました。そしてその奥に小さめの作品を10作品くらい展示。
スタッフさんに少し聞いたところでは、普段は掛け軸などを扱っているそう。だから床の間があったのね。
ロム・ヴィラセランについては、『新しい試みをしてみよう』ということで行われたそうです。
画商さんなので、頂いたパンフレットにも作品の価格が載っています。
大きい作品は3桁万円を超えるけど、この作品の持つパワーを考えたら安いんだろうなぁ、という感想。
小さいものだったら10万以下で買えますし。
ふと、『あれ』を思い出した
余談ですが。
2階に展示されている作品を観ながら、ふと、ヴォイニッチ手稿 を思い出したりしました。
植物と人間?が共存している絵と、未解読の文字的ななにかで成る書物。
あそこで描かれているような、なんだか不思議な植物だったり世界だったりをも見せてもらえた個展でした。
気になった方は是非に。
京橋は、東京スクエアガーデンや、大きな通り沿いのイルミネーションも綺麗でした。
寒いけど、素敵な季節になったなー。
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